あっちの世界とこっちの世界
もう、ずいぶん前の話です。
メンタルフレンドとして不登校の中学生の子供のところに訪問していた大学生の男子が、こんなことを言いました。
「こんなにもあっちの世界に居たがる子供を、こっちの世界に連れてこようとしている自分は、本当に正しいことをしているのだろうか?と、ふと思うことがあるんです。」
あっちの世界とは社会参加をしていない世界。こっちの世界とは社会参加をしている世界のことでしょう。
「人として生まれたら学校へ行って学力をつけて、同時に他者ともソツなくかかわりながら社会で生きていく力を身につけて、いずれは自立して働いて生きていきましょう。」
おそらく、こういうのが前提のこっちの世界。
おそらく、大半の人がこういうもんだと思ってるこっちの世界。
だけど、あっちの世界に住んだことのない人たちには、あっちの世界ではどんな景色が見えているのか、どんな歌が聞こえてくるのか、そしてどんな色の空気が流れているのかも知りません。
今なら、そんなことも感じてみながら、こっちの世界につれてくるのではなくて、接点を探せたらいいねと伝えたい。
考えてみたら世の中は、考え方や、価値観の違う人の集まりです。
そこでは、理解し合うこと、お互いを受け入れ合うこと、それが究極の社会参加の形かもしれません。